主な経済・景気の指標
景気が良いか悪いかの判断する指標は次のようなものがある
Ⅰ 国内総生産(GDP)
GDPとは
GDPとは、国内の経済活動によって新たに生み出された財・サービスの付加価値の合計。
GDPは、内閣府が年4回発表する
GDPと三面等価の原則
GDPは生産面、分配面、支出面からみることができ、生産=分配=支出となる。
これを三面等価の原則という
生産面は、企業が生産した結果生まれた価値のことを指す
生産面から見たGDP:GDP=Y
産むという意味を持つyieldの頭文字をとってY
支出面は、消費や投資などをお金を使う側面を指す
支出面から見たGDP:GDP=消費(C)+投資(I)+政府支出(G)+(輸出(X)-輸入(M))
消費:財やサービスを使い切ってしまうこと
投資:新たな生産のために機械や建物、設備を購入すること
政府支出:政府が国家運営のために公共事業などでお金を使用すること
分配面は、どのようなかたちでお金が入ってくるかを示したもの
分配面から見たGDP:GDP=雇用者所得+営業余剰+財産所得+(間接税-補助金)+固定資本減耗
雇用者所得:働いて稼いだ所得
財産所得:資産運用によって得た利益のこと
Ⅱ 経済成長率
一国の経済規模の1年間における成長率をいい、一般的にはGDP(実質GDP)の伸び率をいう
(参考)実質GDP = 名目GDP - 物価変動の影響 名目GDP:GDPを時価で評価したもの
Ⅲ 景気動向指数
景気動向指数とは
景気の状況を総合的にみるために複数の指標を統合した景気指標で、内閣府が毎月発表している
指標は、先行系列、一致系列、遅行系列に分類される

CIとDI
景気動向指数には、CI(コンポジット・インデックス)とDI(ディフュージョン・インデックス)の2種類がある
従来は、DIが中心でしたが、平成20年4月よりCIを中心に発表されるようになった。

Ⅳ 日銀短観
日銀短観(全国企業短期経済観測調査)とは、日本銀行が年4回、上場企業や中小企業に対して現状と3か月後の景気動向に関する調査(アンケート)を行い、それを集計したもの
調査項目は色々あるが、なかでも注目されるのが業況判断DI。

Ⅴ マネーストック
マネーストックとは、個人や法人(金融機関以外)、地方公共団体などが保有する通貨の総量をいう。
日本銀行が毎月発表している
Ⅵ 物価指数
物価指数とは、ある分野についての総合的な物価水準を指数によって表したものをいい、企業物価指数と消費者物価指数がある

経済指標に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 景気動向指数は、生産、雇用などさまざまな経済活動での重要かつ景気に敏感に反応する指標の動きを統合することによって作成された指標であり、コンポジット・インデックス(CI)を中心として公表される。
- 消費動向指数は、家計調査の結果を補完し、消費全般の動向を捉える分析用のデータとして作られた指標であり、世帯消費動向指数(CTIミクロ)と総消費動向指数(CTIマクロ)の2つの指標体系で構成される。
- 全国企業短期経済観測調査(日銀短観)は、全国の企業動向を的確に把握し、金融政策の適切な運営のために、統計法に基づいて日本銀行が行う調査であり、全国の約1万社の企業を対象に、四半期ごとに実施される。
- マネーストック統計は、金融部門から経済全体に供給されている通貨の総量を示す統計であり、一般法人、金融機関、個人、中央政府、地方公共団体などの経済主体が保有する通貨量の残高を集計したものである。
【解答】4
1.適切
景気動向指数は、内閣府が発表している指標で、「先行指数」「一致指数」「遅行指数」の3つの指数の動きを統合したもの。景気動向指数は、景気変動の大きさやテンポを示すCI(コンポジット・インデックス)を中心として公表される。
2.適切
消費動向指数は、「家計調査」を補完し、消費全般の動向を捉える分析用のデータとしてあ作成される指標。世帯消費動向指数(CTIミクロ)と総消費動向指数(CTIマクロ)の2つの指標体系で構成される。CTIミクロは、世帯の消費支出の平均額の推移を示し、CTIマクロは、世帯全体の消費支出総額の推移を示す。
3.適切
日銀短観(全国企業短期経済観測調査)は、日本銀行が四半期ごとに年4回、全国約1万社を対象として実施する、短期の業況に関するアンケート調査。この調査は、金融政策の適切な運営のために、統計法に基づいて行われる。
4.不適切
マネーストック統計は、金融部門から経済全体に供給される通貨の総量を示す統計。一般法人、個人、地方公共団体などが保有する通貨量の残高を集計したもので、金融機関や中央政府が保有する預金等は対象外となっている。
今日の活動記録~
本格的に梅雨の時期になりましたね~~
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